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人気プロが実践するWebtoonネームテク大特集! プロットからネームを作るための重要テクニック

本日のクリエイター/作家

あつし

先生

人気作『帝国一の悪女に溺愛が止まりません!』のネームを担当。『2周目冒険者は隠しクラス重力使いで最強を目指す』でも読者から厚い支持を集めた実力派です。趣味は犬とおでかけすること。

ネーム作りが苦手な人、必見です。

Webtoonのネーム制作に挑戦してみたいけれど、「プロット(脚本)からどうやってネームを起こせばいいか分からない……」と悩んでいませんか?

縦読みのWebtoonは、従来の横読みのマンガとは表現方法や視線の動きが大きく異なるため、Webtoonならではのテクニックが必要になります。

今回は、大人気Webtoon『帝国一の悪女に溺愛が止まりません!』で知られるWebtoonネーム作家・あつし先生のインタビューをもとに、プロットから魅力的なネームを作るためのテクニックを徹底解説します。プロが実践する具体的な方法を学び、読者を惹きつけるネーム作りを目指しましょう!

1. まずは2回読む! 原作の理解から始めよう

ネーム作りは、プロットを読む瞬間から始まっています。大切なのは、プロットを丁寧に読み解くことです。具体的には、以下のように2回に分けてプロットを読み込みます。

  • 1回目:さらっと全体を読んで、頭の中で「どんな作品になるか」をざっくり想像する

  • 2回目:原作者の指示(見せたい絵、シーンなど)を確認し、自分のイメージとのすり合わせを行う

こうしてプロットの内容や原作者の意図を把握してから、CLIP STUDIO PAINTで実際に80コマ前後のネームを作り始めます。ネームを描き始める前に、まずは作品の設計図を正しく理解することからスタートしましょう。

Point!
まずはプロットを読み込み、作品のイメージを練り上げる!

2. 見せ場はこう作る! 読者を惹きつける大ゴマの決め方

ネーム作りで悩みがちなのが、見せ場やラストの引きといった重要なシーンの扱い方です。「どんなコマで見せるべきか?」と考えすぎて、なかなか手をつけられない人も多いでしょう。

基本的には、原作者が指定する重要なセリフやシーンを、1.5〜2スクロール分の特大コマにします。

【引用】帝国一の悪女に溺愛がとまりません!

それ以外にも、縦読みならではの演出が映えそうなシーンは、思い切って大ゴマにする方法があります。

例えば、上の例は夜空に流れ星が見えるシーンですが、流れ星が落ちていく動きは縦読みと相性が良いですよね。このような場面では、画面を縦方向に大きく使ったコマ演出が効果的です。

【引用】帝国一の悪女に溺愛がとまりません!

引きのコマは、「キャラクターが重要なセリフを大ゴマで言い放って終わる」という構成が王道です。小さなコマで何となく終わらせてしまうと、読者に「え、これで終わり?」と物足りなさを感じさせてしまいます。

そのため、ラストは大きなコマを使い、次の話への期待感を高める演出を意識しましょう。

Point!
見せ場や引きでは、大ゴマを効果的に活用しよう!

3. タテ読みならではの演出の使い方

プロットを読み解いたらネーム作りに取り掛かりますが、ここで壁になるのが、縦読みならではの情報の見せ方や余白の扱い方です。一般的な横読みのマンガとは異なる技術が求められるため、初心者が苦戦しやすいポイントといえます。

ここでも、あつし先生が実践しているテクニックを解説しますので、悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

①鉄則は「1コマ1情報」 情報の量と順番に気を付けよう

Webtoonの鉄則は、「1つのコマに情報は1つだけ」です。テンポよく読み進められるWebtoonでは、情報を詰め込みすぎると読者の視線が滑ってしまいます。要素が多いと感じたら、コマを2つに分けることを検討しましょう。

【引用】帝国一の悪女に溺愛がとまりません!

また、情報を出す順番も重要です。Webtoonは上から下へスクロールしながら読まれるため、セリフは時系列順に配置することを意識しましょう。

さらに、セリフをキャラクターの頭上に置いて先に読ませるのか、足元付近に置いてキャラクターを先に見せるのかによって、読者が感じる「間」も変わってきます。

上下の配置によるわずかな違いでも演出効果は大きく変わるため、細部までこだわって調整してみてください。

②余白の広さでテンポをコントロールする

Webtoon初心者にとって、コマとコマの間の余白をどれくらい空けるかは大きな悩みのひとつですよね。余白は、「会話のテンポ」と「時間経過」をコントロールするための重要な演出要素として考えてみましょう。

あつし先生が実際に制作したネーム資料を見てみましょう。余白を示している赤い枠に注目してください。

テンポよく会話を進めたいときは左側のようにコマ間の余白を狭くし、少し時間を空けたいときやキャラクターの感情を強調したいときは、右側のように広めに取っていますよね。これだけでも、会話のテンポは大きく変わります。

余白の大きさに明確な正解はありません。「この場面は〇cm」といった決まりがあるわけではないため、まずは自分のイメージで設定し、その後のチェック工程で微調整していきましょう。

Point!
Webtoonならではの「縦」と「余白」を活かした演出を取り入れよう!

4. キャラクターの魅力を最大限に引き出すテクニック

ネーム作りは、プロットに書かれたストーリーをなぞるだけでは十分ではありません。構図やフキダシを工夫しながら、キャラクターの魅力を引き出す意識も大切です。

ここでは、単調な表現から抜け出しながらキャラクターの感情を効果的に伝え、その魅力を最大限に引き出すテクニックを紹介します。

①フォントサイズで遊んでみよう

キャラクターの魅力を引き出すというと、迫力のある作画や豊かな表情、ダイナミックな構図を思い浮かべる人が多いかもしれません。

もちろんそれらも重要ですが、あつし先生がよく活用しているのが「フォントサイズを調整する」という手法です。

上の例では、小さなフォントによってまくしたてるような感情を表現し、大きなフォントによって強調したいセリフを印象的に見せています。

このように、フォントサイズを調整するだけでもキャラクターの感情表現をコントロールできます。ただし、文字を大きくしすぎると少年マンガのような印象になり、作品の雰囲気を損なう可能性もあります。

作品のテイストに合わせたバランスを意識しながら、フォントサイズを活用してみましょう。

②単調さを回避するには「構図」と「仕草」を駆使する

キャラクターを魅力的に見せようとする初心者が陥りがちなのが、クローズアップ(顔のアップ)を多用してしまうことです。迫力は出ますが、アップばかりが続くと画面が単調になってしまいます。

マンネリを防ぎ、読者を飽きさせない工夫も重要なスキルです。

余白の項目でも紹介したネーム資料をもう一度見てみましょう。

飲み物を映したり、肩越しに会話する構図を取り入れたりすることで、会話シーンにリズムが生まれています。

また、最初に湯気が立っているカップを映し、その後に湯気が消えたカップを見せることで、「飲み物が冷めるほど時間が経過した」ことを自然に伝えています。こうした演出は、ぜひ参考にしたいテクニックのひとつです。

工夫できるのは構図だけではありません。キャラクターのポーズにも、感情を伝えるヒントが隠れています。

上のネームは、落ち込んでいるキャラクターAと、それを諭すキャラクターBの会話シーンです。Aが「顔を少し上げる」「拳を握る」といった動きを見せているのが分かるでしょうか。無力な自分への後悔や情けなさが、こうした仕草から自然に伝わってきます。

人は誰かと話しているとき、ただ棒立ちしているわけではありません。感情は、何気ない仕草や身体の動きにも表れています。そうした細かな動きをネームに取り入れることで、表情だけに頼らない豊かな感情表現が可能になります。

Point!
フォントやポーズまで意識できる初心者は意外と少ない! 使いこなして差をつけよう!

5.「スマホでどう見えるか?」の確認を習慣づける

Webtoonのネーム作りでぜひ活用してほしいのが、CLIP STUDIO PAINTの「Webtoonプレビュー機能」です。これは原稿をスマホ画面サイズで確認できる機能で、あつし先生はこの機能でネームをチェックしています。

例えば、すべてのコマを配置し、セリフを仮置きした段階でプレビュー機能を使ってスクロールしながら確認してみましょう。

スワイプの速度に対して情報量が多すぎて、「少し立ち止まって読みたいな」と感じる場合は要注意です。スクロールのテンポが悪く、気持ちよく読み進められないネームになっている可能性があります。

余白、フォントサイズ、視線誘導、見せ場の大ゴマなど、さまざまな要素を見直しながら微調整を行い、その都度スマートフォン画面サイズで確認することが大切です。

Webtoonは、縦読みならではのスムーズな読書体験が魅力のコンテンツです。読者がストレスなくスクロールしながら読み進められる状態を目指すことが、理想的なネーム作りにつながります。

Point!
Webtoonはスマートフォンで読むもの! 「スマホ画面でどう見えるか?」の確認は必須!

6. 応用:3Dデッサン人形でネームを作る

最後に応用編として、CLIP STUDIO PAINTの「3Dデッサン人形」を活用したネーム作りをご紹介します。

これまで掲載した画像からも分かるように、あつし先生はキャラクターを3Dデッサン人形に置き換えてネームを制作しています。これは、プロが実践する非常に実用的なテクニックです。

「縦長の画面では構図をうまく組み立てられない……」

「画力に自信がなく、難しいアングルが描けない……」

そんな悩みを抱えている人は、CLIP STUDIO PAINTの「素材」パレット内にある「体型」から3Dデッサン人形を配置し、アングルを自由に動かしながら映える構図を探してみてください。

この方法なら細かく作画をしなくてもネーム制作を進められるうえ、構図のアイデア出しも効率的に行えます。人によって向き不向きはありますが、ネーム作りに行き詰まっている方は一度試してみる価値があるでしょう。

Point!
絵や構図で悩んでいる人は、3Dデッサン人形を試してみよう!

7. まとめ

今回紹介してきたテクニックは、すべてプロの第一線で活躍中のあつし先生が実際に活用しているものばかりです。初心者には難しい技術もあるかもしれませんが、自分ができそうなものから少しずつ試してみましょう。

ネーム作りで大切なのは、高度な画力よりも「読者が読んだときにどう見えるか」という徹底的な読者目線です。

「なぜプロはこんなことをするのか?」と考えながら、ぜひ実践してみてください!

「ネーム作家プロの超実践テクを深掘りします!『帝国一の悪女に溺愛がとまりません!』あつし先生インタビュー」では、この記事では紹介しきれなかったテクニックやあつし先生のWebtoonへの取り組み方をインタビュー形式で紹介しています。
「ネーム作りをさらに深掘り!」したくなった人は、ぜひご覧ください!

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