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プロのネームから学ぶ!Webtoon「伝わるネーム」を作る書きこみの極意

「Webtoonのネームはラフでいいの? それとも細部まで描きこべき?」

「作画担当さんにネームのニュアンスを伝えるのが難しい……」

ネームと作画を別の人が担当する分業制が多い商業Webtoonでは、ネームの作りこみで悩みがちですよね。ラフすぎると後の工程に伝わりにくいですし、かといって描きこみすぎると自分の負担が増えてしまいます。

ポイントは、「ネームはうまさよりも伝わりやすさ」です。今回は、Webtoon『俺だけスーパーヒーロー』で実際に使われたネームを参考に、作画担当者が迷わず描ける「伝わるネーム」のコツを分かりやすく解説します!

1.ネームの書きこみは求められる役割によって変わる

ネーム作家ならば一度は考えるだろう「どれぐらい書きこめばいいのか?」問題。Webtoonの世界では、企業や案件のレギュレーションによって求められるレベルが変わってきます。

最も大きな要因が、個人制作か分業制によるチーム制作のどちらで作られるかです。

個人制作では、自分と編集者が内容を理解できれば、書きこみにこだわる必要はあまりありません。構想から作画まで作者1人で行いますので、ネームは「こういう作品を作ろう」をまとめたメモの役割になります。

一方、分業制では、チームメンバー全員が内容を理解できるレベルが求められます。線画以降の担当者が「この作品はどう仕上げればいいのか?」を理解するための指示書として、あなたのネームが使われるからです。誰が見ても作品の意図が読み取れるような、親切で分かりやすいネームが理想と言えます。

ネームの完成度で悩んでいる方は、まず「どういう案件で、どんな役割のネームを求められているのか?」を確認してみましょう。

一般的に多いのは分業制のネーム

ネームは求められる役割によって書きこみレベルが変わりますが、この記事では分業制のネームを想定して解説をおこないます。

2026年現在において、プロのWebtoon作品は分業制が主流であり、作画担当が後で清書する前提のネームが求められているからです。

【出典】『俺だけスーパーヒーロー』第7話ネーム
© ユキシゲ /SORAJIMA

  • キャラクターが人体として描かれている

  • 髪型や表情が絵から読み取れる

  • デッサンやパースは大雑把でもOK

これらの条件を満たしているものを、この記事で扱うネームの基準とします。

個人制作の場合でも、チェックしてもらう編集者に「分かりやすい」と感じてもらうことはとても大切です。打ち合わせもスムーズに進むはずですので、ぜひ参考にしてみてください。

Point!
ネームの作り方は求められる役割で変わる。参考ネームを基準に自分の書き込みを見直してみよう!

2.伝わるネームに共通する4つの極意

誰かに見せるためのネームでは、何よりも「伝わりやすさ」が大切です。どんなに面白いお話でも、分かりづらかったら意味がないですよね。

ここからは、絵だけでは伝わりきらないニュアンスも漏れなく伝えるための4つの“極意”を紹介します。

①大切なのは見栄えではない

前提として、ネーム段階で作品を綺麗に仕上げる必要はまったくありません。見栄えは作画や背景といった後工程の人に任せてください。

ネームに求められる役割は、「このシーンで伝えたいストーリーの意図」を後工程に指示することです。「この場面は戦闘だからスピード線を盛り込んでほしい」、「このキャラは感動しているから見せ場として描いてほしい」といった意図が明確に伝われば良いのです。

極端な話をすれば、後工程の人に意図が伝わりさえすれば、何をやっても良いのが分業制のネームとも言えます。

②絵で伝わらない情報は文字で伝える

「何をやっても良い」とは、例えばこういうことです。絵で伝えきれない部分は、適当な余白に文字でそのまま書いてしまいましょう。参考ネームをご覧ください。

【出典】『俺だけスーパーヒーロー』第10話ネーム
© ユキシゲ /SORAJIMA

「陽太 パンの包装を開けるところ」「机の上に陽太の分の牛乳パック」と書いて、細かい状況をを指示していますね。これでいいのです。

ネームを見ただけでキャラクターの状況や演出の意図が判別できなければ、作画担当は手が止まってしまいます。

このキャラは誰なのか、どんな動作や表情をしているか、姿はどうなっているのか……絵を見ただけで伝わらないと感じたら、見づらくならない程度に文字で補足してください。

特に、キャラの感情を細かく指定したいときは、文字での指示が有効です。同じ悲しみでも「味方を失った悲しみ」と「敵への憎悪を込めた悲しみ」は別物ですよね。自分の画力で表現しきれないと思ったら、試してみてください。

③エフェクトやコマ割りはネーム段階で指示する

効果線やオノマトペといったエフェクトも、ネームで決めておきます。これらを丁寧に描く必要はありませんが、「このシーンはこんなエフェクトが必要」と指示をするのは、ネーム担当の仕事です。

【出典】『俺だけスーパーヒーロー』第7話ネーム
© ユキシゲ /SORAJIMA

また、Webtoonならばコマや余白の大きさや形もネーム段階で固めておきます。コマの大きさや余白によって「間」や「タメ」が左右されますので、ここが適当だと完成品のテンポが崩れてしまいます。

④キャラクターの位置関係・動作・ポーズを明確にする

アクションシーンや複数人の会話劇では「誰がどこにいるか」と「誰がどんなポーズで何をしているか」が複雑になりがちです。これらの情報を簡潔にまとめたネーム作りを心掛けましょう。

【出典】『俺だけスーパーヒーロー』第4話ネーム
© ユキシゲ /SORAJIMA

参考ネームでは、「飛ばされる陽太」や着地ポーズのメモを入れることで、キャラクターの位置関係・動作・ポーズを確定させており、非常に作画しやすいネームになっています。パースやデッサンは意識しすぎず、取りこぼされたくない情報を伝える意識を持ちましょう。

Point!
ネームは文字を使ってもOK! うまさより伝わるネーム作りを心がけよう

3. 参考ネームを分析してみよう

次は、『俺だけスーパーヒーロー』のネームを、ワンシーンを通して分析してみます。

シチュエーションは「学園ファンタジー。大人数での戦闘。状況説明から始まる。戦闘シーンでは複数人のキャラがザコを倒す」です。かなりの長尺ですので、2つに分割して読んでみましょう。

【出典】『俺だけスーパーヒーロー』第1話ネーム
© ユキシゲ /SORAJIMA

1枚目では校舎の遠景から入り、状況説明が進められています。

  • キャラクターの体や表情・コマ割りが明確に描かれた下書き

  • 適宜キャラクターの名前や背景の説明を赤ペンで書きこんで分かりやすくしている

  • 集中線や各種エフェクトを指示している

など、ここまで学んできた内容がしっかり盛り込まれています。ストーリーがどんな流れで進んでいるのかが非常に分かりやすいですね。

【出典】『俺だけスーパーヒーロー』第1話ネーム
© ユキシゲ /SORAJIMA

2枚目は戦闘シーンです。弱いゴブリンをテンポよく倒していく爽快感がよく出ています。

このネームのポイントは、ジグザグとしたコマ割りや狭い余白でスピーディーな流れを演出しているところです。コマ割りや余白はネーム作家の腕の見せどころなので、自分のこだわりを詰め込みましょう。「ここはなんでこういうコマ割りなんですか?」と聞かれても理由を説明できるのが理想です。

まとめ

Webtoonのネームは、個人制作か分業制かで求められる役割が違います。分業制でWebtoonに挑戦するのであれば、後工程の人が悩まず作業できる分かりやすさが一番大切です。

「自分のネームをもとにして作品が作られる」

そんな意識を持って、伝わりやすいネーム作りを練習してみましょう!

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