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読者に「おっ?」と思われるインパクトを! 普通のパースと一味違う「魚眼パース」の描き方

「Webtoonでもっと迫力のあるシーンを描きたい!」
そんな人に試してほしいのが「魚眼パース」です。名前は知っていても、「どんな仕組みなのか」「どう使えば効果的か」まで理解している人は少ないのではないでしょうか。

魚眼パースは、迫力を出したい構図づくりや魅せ方で悩んだときに必ず役立つ重要なテクニックです。

この記事では、知っているようで知らない魚眼パースの基本知識から、実践的な使い方までを解説していきます。

1. 魚眼パースとは何か?

魚眼パースとは、カメラの「魚眼レンズ」で撮影した写真のように、世界が丸く歪んで見えるように描く手法です。

魚眼レンズを通して見る世界は、その名の通り「魚が水中から地上を見る景色」とも言われます。具体的には「広い範囲を写せる」「景色がゆるやかなカーブ状に歪む」という2つの特徴があり、人間の眼では見られない不思議な世界を表現できます。

身近な例では、ドアについている覗き穴(ドアスコープ)が挙げられます。覗き穴から外を見ると風景が歪んで見えますよね。これも魚眼レンズの一種であり、ドアスコープ越しの景色をマンガ表現に落とし込む手法が魚眼パースといえるでしょう。

Point!
まずは魚眼パースで描ける世界を知ろう!

2. 魚眼パースの仕組み

次に、魚眼パースの仕組みを見ていきます。魚眼パースに忠実に描くと、本来まっすぐな線もゆるやかなカーブを描きますが、初心者はこの感覚を理解できず、つまずきがちです。

日常では見慣れない魚眼パースですが、その考え方は意外とシンプルだったりします。通常のパースと比べながら確認してみましょう。

①通常のパースの仕組み

私たちが普段よく見るイラストは、いわゆる通常のパースで描かれています。近い物は大きく、遠くにある物は小さく描いて、平面のイラストに立体感を持たせる仕組みです。

また、通常のパースは「まっすぐな物はまっすぐに、曲がっている物は曲がっているように描く」というルールを前提としています。当たり前に思えるかもしれませんが、魚眼パースでは、この常識を疑わなくてはいけません。

②魚眼パースの仕組み

魚眼パースは、世界を直線ではなく“球体”として捉えます。
先ほど「水中から地上を見る魚」という例えを挙げましたが、水中から物を見ると、光の屈折によって景色が大きく歪みます。本来まっすぐな物が曲がって見える点が、通常のパースとの大きな違いです。

魚眼は、中心では歪みが少なく、端に行くほど歪みが大きくなるのが基本です。
ガイド線の曲がり具合は、地球儀をイメージしてみてください。地球儀には横に走る緯線と縦に走る経線が描かれていますが、それぞれのゆるやかな曲線は、魚眼パースのイメージにぴったりです。

実際に魚眼パースで人物を描く際も、強調したいパーツを中心に大きく描き、地球儀をイメージしながら曲線でパース線を引くのがコツです。

Point!
魚眼パースは「イラストが球体に張り付いて引き延ばされる」イメージ!

3. 魚眼パースの効果的な使い方

魚眼パースのメリットは、「歪みが生み出すインパクト」と「通常では見えない画角まで見せられること」の2点です。現実ではありえない歪みは読者に「なんだ?」と驚きを与え、ここぞという場面を強調する演出として役立ちます。

ここでは「キャラクター」と「背景」の2つに分けて、効果的な使い方を見ていきましょう。

①キャラクターは魚眼×広角で迫力を!

キャラクターの動きや感情を強烈に印象付けたいときは、魚眼パースを使うと独特の味が出ます。

ただし、キャラクターを魚眼パースに忠実に描くと、インパクトより違和感がやや強くなります。広角と魚眼をハイブリッドにして描くのがベターです。

こういったアクションシーンで正しい魚眼パースを使うと、ポーズそのもののかっこよさや勢いを失ってしまう可能性があります。今回の例では、他の部分を強調したり、あえて遠近感を大きくつけたりといった工夫を盛り込みました。
「時には嘘をつく」魚眼に限らず、作画ではとても大事な考え方です。

他にも、歪みを利用してキャラクターの動揺を表現する手法もあります。驚きで言葉を失ったキャラクターの周囲を魚眼パースで歪ませて、心の中の衝撃を読者に伝えるイメージです。有名作品で例えるなら、『カイジ』(福本伸行)の「ぐにゃ〜」に近い演出ですね。

②魚眼パースで「情報量たっぷりの背景」を描こう

縦長のWebtoonでは横方向の広がりを表現しづらく、背景描写が制限されがちです。広さや迫力を見せたいのに背景が描きにくい……そんな経験はないでしょうか。

そんなときに役立つのが魚眼パースです。「広い範囲を写せる」特徴で情報を盛り込みやすく、狙った演出を効果的に見せられます。

魚眼パースを効かせた背景は情報量が多いだけでなく、ひと目で異質な印象を与えられます。学校の廊下や主人公の部屋などの日常的な空間であっても、魚眼パースで歪ませるだけで「いつもと違う?」と思わせられるので、非日常を演出したい時に有効です。

また、キャラクターを包み込むように背景をカーブさせれば、その人物に注目を集める強烈な視線誘導に使えます。「ここは絶対に主人公を見てほしい!」という時のとっておきにするとよいでしょう。

③「難しい」と感じたらツールを使ってみる

Clip Studioには魚眼パースを適用できる機能があるため、自分でパースを取らなくても魚眼効果を加えられます。ここまで読んで「なんとなく難しそうだな…」と感じた人は、まずツールに頼って感覚をつかむところから始めてみてください。

ツールを使う際のコツは「背景のみに使う」「背景が歪んで小さくなる前提で大きめに描いておく」の2点です。特に前者は重要で、キャラクターは魚眼ではなく広角気味のパースで描くようにしましょう。キャラクターにまで魚眼を適用すると、余計な歪みが生まれて不格好になってしまいます。

Point!
魚眼パースの「歪み」と「異質さ」を演出に活かそう!

まとめ

魚眼パースで世界を少しだけ歪ませるだけで、Webtoonのクオリティは格段に変わります。大切なのは、今回解説した魚眼パースの仕組みを理解し、実際に描いてみること。頭と手の両方で反復すれば、誰でも確実にマスターできます。

使いこなせれば、作品が一気にダイナミックに生まれ変わる魚眼パース。ぜひ挑戦してみてください!

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