

#
インタビュー
#
Webtoon作家
本日のクリエイター
piqel&piqerm
先生
マンガ家。ましろ先生・椿子先生のお二人で制作。
コロナ禍をきっかけにマンガ制作を始める。
代表作は『妖怪保育園』。
ふたりの共通の趣味は、漫画と妖怪と特撮とアイドルと90年代V系バンド。
人間と妖怪が共存する時代がやってきた!
子育ての大変さは人間も妖怪もおなじ……。
アマビエ、河童、天狗といった個性豊かな妖怪の子どもたちに人間の保育士さんが振り回されながらも、一緒に遊び、一緒に学び、絆を深めていく場所。それが「妖怪保育園」です。
今回、愛らしい物語を描いた心温まる読切Webtoon『妖怪保育園』について、Webtoon作家のpiqel&piqerm先生(ましろ先生・椿子先生のお二人)にたっぷりお話を伺いました!
ましろ先生:実は、ちゃんとオリジナルマンガを制作し始めたのは、2024年のはじめくらいです。
よく、おふたりは学生時代からのお友達なんですか?って聞かれるんですけど、友達になったのは大人になってから、この10年くらい。ちゃんとオリジナルマンガを制作し始めたのは、去年(※インタビュー当時)くらいからなんです。
もともと私たちは、とある作品のファンアートをきっかけに知り合って、一緒に遊びに行ったりしていた友達関係でした。遠征して一緒に観劇したり、シルクスクリーンで雑貨を作ったりしていました。
コロナ禍で会えなくなった頃に、たまたまふたりでハマった作品の二次創作をたくさん描くようになったんです。会えなくなったぶん絵を描くみたいな。その時にふたりで色んな話をして、それを椿子ちゃんが漫画にするというスタイルができました。気が付いたら一緒に「マンガを描いてた」という流れになりますね。
椿子先生:最初は二次創作だったので、本格的にふたりで「オリジナルのマンガを描こう」となったのは本当につい最近です。そこから今回の読み切りも含め、少しずつ作品づくりを進めています。
ましろちゃんが出したアイデアを膨らませて、それをふたりでラリーして拡げていくのが凄く楽しいです!引き出しがすごいんですよ。煮詰まった時も「こういうのはどう?」ってすぐにアイデアをいくつも出してくれて……これは一人ではできないことですね!

piqel&piqerm先生(椿子先生・ましろ先生のお二人)のハンドメイド作品。 温かくてユーモアのあるデザインが素敵ですね。ましろ先生:椿子ちゃんとマンガを描いていくの、ほんとにおもしろいんですよ。椿子ちゃんが描くと、あれがこうなる!?ってびっくりしたり、笑ったり。一人だと悩むところも、二人だと解決が早いのも良いと思います。
椿子先生:私は作画担当です。
もともと、二次創作ではイラストを描いていたんですが、オリジナルのストーリーマンガは初挑戦でした。今回はネームから作画まで担当しています。
ましろ先生:私は作画以外を全部やっています。
最初のストーリー案やプロットは私が立案して、そこから椿子ちゃんのネームと連携して整えていく流れですね。最終的にはふたりで相談しながら仕上げています。作画以外なので、事務作業・スケジュール管理・SNSの配信なども担当してます。会社員なのでそのあたりは「まかせろ!」という感じです。

椿子先生:そうなんです。私自身、同人誌やpixivでのイラスト投稿、短い4コママンガを書くことはありましたが、起承転結がしっかりあるストーリーマンガを、最初から最後まで一冊分きちんと仕上げたのは『妖怪保育園』が初めて。いわば「デビュー作」なんです。
ましろ先生:もともと「この人(椿子先生)のマンガやイラストなら、きっといけるはず!」と、私はずっと思っていたんです。彼女が会社を辞めるタイミングで、「本腰入れてマンガをやってみない?」って声をかけました。
椿子先生:その時期、ちょうど気持ちが落ちていたのもあって、「じゃあ本気で挑戦してみよう」っていう流れになりました。それでまず、ソラジマさんのトライアルを受けてみることになったんです。
ましろ先生:他社さんにも何社かポートフォリオは送っていましたが、「まずは一番難しそうなところ=東大みたいな場所を受けてみよう!」という感じでソラジマさんを目指したんですよ。
椿子ちゃんにマンガを仕事にしてみないかという話をしたときもソラジマさんのサイトを見せました。「Webtoonってのがあって、線画だけを描く仕事があってね……」って。
椿子先生:東大だったら落ちてもまぁ仕方ないかみたいな感じでした。最初の線画のトライアルは落ちたんですが、事務の方の対応がすごく良くて、「半年後にまた受けられますよ」と教えていただきました。そのあとは他社さんのトライアルを受けたり、連載会議に提出する作品を作ったりしていました。
半年後にソラジマさんのネームと線画のトライアルを受けさせてもらったんですが、無事に受かりました。同じ頃に持ち込みもさせてもらって今に至ります。
椿子先生:横読みマンガしか知らなかったんですが、ソラジマのトライアルを受けるにあたって、初めて本格的にWebtoonを読んだんです。そしたらもう止まらなくて!
「次も読みたい、次も読みたい」という感じで、気づけば朝方まで読んでいる。あのスクロールするたびに続きがどんどん気になるっていう引き込み方は、従来の横読みマンガにはない魅力だなと思いました。
コマとコマの間隔を大きく使ったり、セリフをコマの外側に配置したり……。さらには上下スクロールが続くぶん映像作品みたいな「流れ」を演出できるのが面白いです。
まだ慣れない部分も大きいですけど。

椿子先生:背景と着彩と仕上げが入った完成品を見た時、ほんとに「魔法みたい!」って感動しました。これは、横読みマンガでは味わえないです!
自分の線画だけを提出して、最終的に色つきで戻ってきた時は、本当に感動しました。「これが私たちの世界なんだ!」って。
ましろ先生:本当に背景と着彩と仕上げのパワーがすごいんですよ。プロの仕事ってすごい!って。自分たちでは絶対にできないです。スマホの画面が輝いて見えました。
ロゴを作っていただいたのもすごく嬉しかったです。色んな人の仕事で作品ができていることにすごく感動しました。
椿子先生:横読みだとページの中で工夫して絵を配置しますが、縦の場合はずっと上下に続いていくから、場面転換やアングルの変化に手間取ることもありました。
けれど、その分「ここでドーンと主人公の顔を出してインパクトを与える」みたいな演出が映えますね。アニメや動画に近い感覚があります。
ましろ先生:縦の構成というのが未知だったので何もかも大変でしたが、挑戦することはとても楽しかったです。「こうしたらどうかな?」とアイデアを重ねて作品ができあがっていくのは充実感がありました。
ネームの作成の最後の方は、実際にソラジマさんのオフィスにお邪魔して、担当さんと相談してつくりました。なので二人というか、担当さんもあわせて三人で作ったのが『妖怪保育園』になります。
ましろ先生:実は別の会社さんに『妖怪アイドル』ものの企画を出していて、それが連載会議で通らずボツになってしまったんです。でもアイデア自体は気に入っていたので、「ソラジマさんの持ち込みに出してみよう」と思って送りました。
すると、今の担当さんから『めちゃくちゃいいですね!』と熱いお返事をいただいて。そこからトントン拍子で『妖怪保育園』の読み切り掲載が決まりました。
ましろ先生:もともとふたりとも妖怪が大好きなんです。子どもの頃からゲゲゲの鬼太郎が好きで、水木しげる先生は神様みたいな存在なんです。せっかく読み切り漫画を描かせてもらうので好きなものを描こう!と思いました。大好きな「妖怪」と椿子ちゃんが描くのが好きな「子ども」をあわせたんです。
子どもがたくさんいる場所ってどこかなと考えて「保育園」で、平和でほのぼのした世界観にしました。
実は『妖怪アイドル』ものの企画と世界設定自体は繋がっていて、今回はそちらを発展させるかたちです。

椿子先生:絵的には、「ぷにぷにほっぺ」の子どもたちを描くのが一番のこだわりです。人間の子もいれば妖怪の子もいる、みんな違ってみんないいっていう雰囲気を大事にしました。
ましろ先生:人間と妖怪が当たり前に共存している世界を描きたかったんです。ほんわかとした「平和な空気感」を読んでくださった方が楽しんでくれたら嬉しいですね。
椿子先生:もっともっと可愛い妖怪の子どもたちを描きたいです!
またソラジマさんのオフィスに遊びに行って、レポをコミックエッセイとして描きたいですね。
ましろ先生:私たちとしては「好きなものをとことん突き詰める」スタンスで進みたいです。
ソラジマさんにお邪魔したときに、会社の壁に「誰もがバカにする大きな夢を叶えてみせる」って書いてあるのをみて、「おもしれー会社!」って思ったんですよ。漫画家になりたい、連載を持ちたい、単行本出したいという夢を諦めなくていいんだな、と。好きなものはちゃんと好きでいていいんだなって、すごく勇気をもらえました。
私は相棒ですが、世界でいちばん椿子ちゃんのファンだと思っているので、椿子ちゃんの描く絵をたくさんの人にみてもらいたいんです。なので「作画以外のことは全部やるから椿子ちゃんは絵を描きなさいよ!」っていうのはずっと変わらないですね。自分たちが描いてて楽しい、読んでもらって面白いマンガをふたりで描いていけたらと思います。
椿子先生:私、実は46歳なんですけど、そこからでもWebtoonをスタートできました。年齢や経験関係なく、やりたいと思ったらまず挑戦!
一歩踏み出すと新しい世界が見えると思います。
ましろ先生:目標を決めて逆算する——たとえば「いついつまでにこうなりたい」と考えて行動することが大切じゃないかなと思います。
椿子ちゃんが仕事を辞めた時に「半年後くらいにはマンガを仕事にできるようにしよう、そのためには今は何をすればいいだろうか」と思って逆算して色々と行動しました。
あとは私も趣味で絵を描いているんですが、絵を描き始めたのが35歳を超えてからだったので絵のレベル面ですごく恥ずかしかったんです。自分よりもうんと若い人がめちゃくちゃうまい絵を描いてるのに、こんなで恥ずかしいなぁって。なのでSNSに投稿するのも最初はすごくためらいました。
でもどんなにへたくそでも「好き」を外に出したから椿子ちゃんとも出会えたんです。「好き」はいつか自分を助けてくれると思います。ぜひ思い切って自分の好きなことをやってみてください!
今回のインタビューでは、まるで隣同士で作業しているかのような息ぴったりの絶妙コンビネーションが印象的だったお二人。実は、お住まいが東日本と西日本で離れているにもかかわらず、オンラインを活用して「好き」を形にしていく姿勢がとても素敵でした。
『妖怪保育園』の世界には、かわいい妖怪の子どもたちと、読むだけで心がほっこりする温かな空気感が詰まっています。これからWebtoonを描いてみたい方には、お二人の「年齢にとらわれない挑戦」や、「逆算思考で夢を叶える姿勢」が、きっと大きなヒントになるはずです。
お二人のこれからの挑戦と活躍にも、目が離せませんね!
piqel&piqerm先生の『妖怪保育園』をチェック!
