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インタビュー
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Webtoon作家
本日のクリエイター
江中実
先生
漫画家。
5年前に絵を描き始め、初めてのWebtoon作品で「読み切りネームコンテスト」の大賞を受賞。
怖いのに、スクロールする手が先を求める—
独特な緩急によって次の展開を見ずにはいられない読切作品『金魚姫』。「読み切りネームコンテスト」の大賞受賞作です。
『金魚姫』の作者、江中実先生は、なんと初めてのコンテスト応募での大賞受賞だったそう。
今回は、江中先生にコンテスト応募のきっかけや作品づくりでのこだわり、担当編集者であるわかさんに、コンテストでの審査ポイントなどをお聞きしました。
江中実先生:実際に飛び上がって喜ぶほど、嬉しかったですね。コンテストでの受賞が初めてだっただけでなく、縦スクロールのWebtoon自体を描いたのも今回のネームがほぼ初めてだったので、「これ、本当かな?」と何度も結果を見返していました。
江中実先生:実は横読みマンガはほとんど描いていないんです。絵を描きはじめたのも5年ほど前と日が浅く、ずっと四コママンガを描いていました。Webtoonは四コママンガを縦に長くしていったものというイメージがあり、比較的コマ割りなどがしやすそうだったので挑戦してみたという感じです。
多くの作家さんは、最初は横読みマンガを描いていて、「最近Webtoonというものをよく耳にするから描いてみようかな」という流れだと思うので、Webtoonを描くことになった経緯がやや特殊ですよね。
しかし、私のように四コママンガからスタートした方は、比較的Webtoonにとっつきやすい感覚がある気がします。
江中実先生:まず、ネームコンテストというのが魅力的でしたね。マンガを描きはじめて日が浅く、絵にもそこまで自信があったわけではないので、ネームでの応募がOKなら挑戦しやすいと感じました。
江中実先生:コンテスト応募に対するハードルは、あまりなかったです。むしろ、今回応募した『金魚姫』という作品の立ち位置を知りたいという気持ちのほうが強かったですね。
やはり、ただネット上に投稿するだけではコメントも評価ももらえないことが多いので、審査してもらえるコンテストのほうが、個人的にはやりやすいなと思います。
とりあえず当たって砕けろ精神ですね(笑)
編集者わかさん:単純に、「応募作品の中で一番面白い」と感じました。それが今回の受賞の理由です。
江中先生は物語の構成をつくるのが非常にうまい方なんですよね。今回の応募作品に限らず、1話の中にしっかりと見せ場を入れ込んでくれるので、たった1話の中でも心が動いて満足感が得られる作品に仕上げている印象です。
また、こだわりを持ちつつも、さまざまな切り口の表現を試されていますね。
江中実先生:今回のネームコンテストで受賞したことで「こんなに嬉しいんだ!」と味を占めたといいますか(笑)その後、わりと立て続けに応募していますね。
実は、私がコンテストに応募し続けるのには「嬉しい」を感じたい以外にも理由があります。
縦スクロールのWebtoonをアップしたり投稿したりする場所が少ない、というのも応募理由の一つです。Xなどは画像を複数枚アップすると、横スクロールで閲覧することになるので、縦スクロール用に描いた画像がアップしづらいんですよね。
「作品を見てもらう機会」としてコンテストに応募している部分があります。

江中実先生:コンテストに応募する作品に関しては、コンテスト概要と物語のストックをすり合わせてつくっています。頭の中にある物語を「こんな構成にすればこのコンテストに合わせられそうだな」と考える感じです。
実際、今回の「読み切りネームコンテスト」に応募した『金魚姫』に関しても、実は横読みマンガを下書きしてそのままにしていたものを使いました。「これは縦で読ませるほうがあっているかも?」と考えたためです。
江中実先生:今回のコンテストに限って工夫したということはあまりないのですが、毎回「読んでいる人の期待を裏切る」ということは意識していますね。想像の斜め上ぐらいにある展開に持っていければと考えながらつくっています。
そういった展開をつくりやすいのと、自分自身が好きなジャンルということもあり、ホラー寄りの作品が多くなるのかもしれません。
江中実先生:絶対にオールジャンルのコンテストで!とこだわっているわけではないのですが、個人的にはオールジャンルコンテストのほうがしばりがなく、“動きやすい”と感じています。私がこれまでコンテストに応募した作品も、ホラーなのかな?恋愛なのかな?と、自分自身でも明確なジャンル分けが難しいものが多いので。
ジャンルがガッチリ決まっているコンテストだと、そこから少し外れた要素がある作品の場合、応募しづらくなってしまうということもあります。
わかさん:たしかに開催した側から見ても、オールジャンルのコンテストにはジャンルを超越しているような作品が多いと感じます。
あえて制限を設けていないところに応募してくださる作品は、いわゆる「そのクリエイターさんの“らしさ”」が詰まっている作品ばかりですね。

編集者わかさん:これは先にお話した、江中先生の作品を対象に選ばせてもらった理由と同じで、まずは「面白いと感じるかどうか」です。
ただ、これはコンテストに限った話ではないんですよね。新しく企画を走らせるために作家さんにお声がけするときも、基本的には同じ観点でお声がけします。
もし同じくらい「面白い」と感じた作品が複数あり、どうしてもその中から一つに決めないといけない、という場合は、僕自身が「この作家さんとお話してみたい!」と感じられる作品のほうを選びますね。
そういった作品は、本当にその方しか出せないだろうなという発想が見えたり、より個性が光っている部分が多かったりする作品なので。
編集者わかさん:この場合もあまりコンテスト出身の作家さんだからという部分で、大きく変わってくるわけではないのですが、脚本や構成、線画など、工程のほとんどをご自身で担当される作家さんの場合は、その方の「ゼロから産んだイチ」を大事にすることは心がけていますね。
もちろん、分業制でつくる場合でもスタンスを変えているわけではありませんが、より個人が作品をつくるという手法に寄せている場合は、その方の個性や感情を活かさないとやる意味がないと感じます。
もしも「こう直したほうが面白いかもしれない」と感じることがあっても、ただ面白くするために直しを入れてもらうのではなく、「なぜこうしたのか」「何をやりたかったのか」をヒアリングして、作家さんの中にある構想からブレない範囲でのフィードバックしていますね。もしこちらの意見にズレを感じた場合は、必ずしもフィードバックを受け入れる必要がないという余地を持ってもらえるようにお話したいですね。
江中実先生:一人で作品をつくるって、ひたすら孤独で、正解がわからないまま進めている部分があるんですよね。そういったときに、気軽に質問できたりアドバイスを仰いだりできる存在がいるのがありがたいです。そもそも私は、縦スクロールのコマ割りの幅感などもわからない状態だったので……。
あとは、私は「締め切りが設けられている」という状態も、ありがたいことの一つですね。
自分の作品に対して「反応してくれる人がいる」ことで、こんなに作品がつくりやすくなるんだという気づきがありました。

江中実先生:私はこれまで四コママンガを中心に描いていて、横読みマンガを描いた経験がそこまで多いわけではないのですが、Webtoonは他の形式のマンガと比べてコマ割りが感覚的で、ひとつながりで表現できるのが楽しいなと感じましたね。巻物で物語をつくっているような感覚です。
とはいえ、ただ上からコマを切っていくだけでは面白くないので、縦スクロールならではの見せ方を強く意識しながら描いています。
あとは、カラーで華やかに表現できるのも、つくり手にとって魅力の一つだと思います。
横読みマンガを描いている方だと、カラーに対して手順が多くて手間がかかるというイメージを持つ方もいると思うのですが、私のように横読みマンガをあまり描いた経験がないと、むしろ白黒で表現するほうが難しく感じるんです。頭の中のイメージをカラーでそのまま表現できる分、手間がかかってもやりやすい部分が多いです。
江中実先生:現在はホラージャンルの作品が多いのですが、真っ直ぐな恋愛ものだとか、王道に近いジャンルにも挑戦したいなと思っています。読んでいる人が安心してみられるようなものですね(笑)
現在は、自分は何が得意で何ができるのか?を模索している段階なので、できることは全部チャレンジしたいです。
江中実先生:少しでもチャレンジしたい、やってみたいということがあったら色々と試してみるのがよいかなと思います。私も「やってみようかな」が発端になって今があるので。
試してみる、ということはWebtoonをつくる上でも必要になることかなと思っています。
というのも、Webtoonはまだまだ発展していく分野で、今後もさまざまな表現方法が生み出されていくと思うんですよね。そういった部分を多くの作家さん皆でチャレンジしていけたら楽しいだろうなと考えています。
編集者わかさん:僕も、同じようなことを思っています。
少しでも我々のコンテストに興味を持っていただけたら、「こんなので出して大丈夫かな?」などの遠慮は不要なので、とにかく一度出してみていただきたいですね。提出いただいた作品は、本当に編集部のコンテスト審査チームですべて読ませていただいています。
江中先生のように、最初の応募で受賞される方もいますが、何回目かのコンテスト応募で受賞という方も多いです。一度描いてみる、提出してみるという行動が、今度Webtoonを継続的に描いていただくきっかけになればと思っていますし、それによって我々とのご縁をいただければなお嬉しいですね。

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