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インタビュー
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Webtoon作家
本日のクリエイター
内海郁
先生
シナリオライター/マンガ原作者 東京出身。
ソラジマTOONにて読切Webtoon『ターフ・ヒーローズ~クラリティ・ドット~』で商業デビュー。
大の競馬好きで、推しは逃げ馬。
あなたは「描きたいもの」を胸に創作をしていますか?
2024年8月に『ソラジマTOON』で発表された読切『ターフ・ヒーローズ~クラリティ・ドット~』。競馬というディープなジャンルでありながら「激アツ!」「続編見てみたい!」と大きな反響を呼んでいます。
今回は原作者の内海郁先生からお話を伺い、Webtoonを選んだ理由や創作の心構えに迫ります。そして見えたのは、氏の競馬と創作への深すぎる「愛」でした。
ありがとうございます。作画や着色の方々のおかげです。『ターフ・ヒーローズ』はチーム全員の力があったからこそヒットしたと思っています。
創作自体は物心ついたときから当たり前にやっていました。現在はシナリオライターなど、文章メインで活動していますが、絵を描くのも好きなので、現在も物語の補助的な形で描いています。
『ターフ・ヒーローズ』でも脚本だけでなく、ネームとキャラクターデザインも担当しました。
競馬を題材にした作品をWebtoonで表現したいと思ったからです。Webtoon独特の縦スクロール形式が、競馬の流動的なレースシーンと非常に相性が良いと感じました。
それにフルカラーなところも魅力的でした。競馬というのは視覚的にとても華やかで美しいんです。ジョッキーが着る勝負服や帽子はカラフルですし、サラブレッドの毛色は輝くようにキラキラしています。その華やかさを表現するには、Webtoonが最適だと思いました。

そうです。Webtoonは競馬と相性抜群だと思いました。
競馬を好きになったのは割と最近のことなんです。『ターフ・ヒーローズ』を描く頃から、ほんの1年前のことですね。
ちょうど父が競馬ファンでして、一緒に競馬場に初めて行ったのがきっかけでした。そのとき、偶然馬券を買った馬が逃げ切り勝利※したんです。その瞬間、ものすごく胸が熱くなって……。そこから一気にハマりました。
※逃げ切り勝利…レースの序盤で先頭になった馬がそのまま1着になること
初めて目の当たりにしたレースの感動を、いろんな人に共有したくなりました。それから競馬を題材にした作品を書きたいと思うようになったんです。
ですので『ターフ・ヒーローズ』は「多くの人に競馬の素晴らしさを知ってほしい」という趣旨からスタートしています。担当の方とも相談を重ねて、読者に主人公と共に「観客として初めての競馬体験」をする話にしました。

そうなんです。Webtoonでは感情移入が非常に重要だと言われますよね。主人公と読者の心の距離をいかに近づけるか、がポイントです。ジョッキーや馬の関係性だけではなく、人と観客、そして馬との関係性を描いた方が感情表現しやすいのではないかと考えました。最近では「推し馬」といって好きな馬を応援する文化があるので、それも意識しています。
表には出していませんが、ジョッキー同士の関係性なども含めて細かく設定しています。例えば、レースで1着を競い合ったフィリップとエマが実は同期で、レースの本命であるエマは「フィリップにだけは負けるかもしれない」と考えていた、とか。
私は競走馬もジョッキーも全員が主人公だと思っているので、名前のあるキャラクター全員に設定を作っています。

どういう経緯でジョッキーになったのか、馬とどう出会ったのか、そういった設定を作り込むことで自然とストーリーが生まれますし、読者がキャラクターに興味を持ってくれると考えています。
マンガには直接出していませんが、現実の競馬のCMを参考に、それぞれのサラブレッドに異名も付けています。元々ライターをしていたので「最小限の言葉で最大限のイメージを得たい」というのがあるんです。
「作品には必ず魂を込めてやるぞ!」という思いで取り組んでいます。キャラの作りこみも「このキャラクター、個性が強すぎるんじゃないか?」くらいがちょうどいいと思っています。
最初は本当に現実感がありませんでした。自分が書いたものが私の名前で世に出るなんて信じられなくて……ふわふわした気持ちでいましたね。でも少しずつ数字やコメントがついたり、競馬ファンや関係者の方々からも感想をいただいたりして「自分が伝えたかったことがちゃんと伝わったんだ」と感慨深い気持ちになりました。

縦読みの一番の魅力は視線誘導がしやすい点だと思います。上から下に目線を誘導する構造なので、読者が無意識にコマを追ってくれるんです。また、横読みはとても情報量が多いのですが、Webtoonはあえて余白を残すことで読者が重要な部分だけを目で追いやすくなっています。私はこれを「読み残しがない」と考えていて、作り手としても安心できる部分です。
細部を語ることが難しいという点でしょうか。縦読み漫画は、読者に「美味しい部分だけ」を楽しんでもらいやすい反面、「薬味」のような細やかな表現を伝えにくいんです。横読み漫画が「豪華なフルコース料理」だとすれば、Webtoonは「親しみやすい丼もの」のような感じです。どちらも美味しいですが、それぞれの楽しみ方が異なるというイメージです。
私はその対策として、セリフがない登場人物にも背景やストーリーを感じられるよう、表情や動きをなるべく工夫しています。
偉そうで恥ずかしいですが、まず挑戦してみることだと思います。とりあえずつまんで食べてみて、合わなければ吐き出してもいいんです。一度試してみた経験は必ず糧になります。だから、迷っているならまずはやってみるべきだと思います。
それと「何かを好きになる」という気持ちはどんな分野でも大事なものです。これから創作にチャレンジする皆さんには、「好き」をとても大切にしてほしいですね。
内海先生の『ターフ・ヒーローズ~クラリティ・ドット~』をチェック!
