背景

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背景制作を革命する!Webtoon最強の3Dソフトは『SketchUp』だった!

本日のクリエイター/作家

丹羽 四つ葉

先生

イラストレーター、WEBライター、シナリオライターを経て、現在は縦スクロール漫画の背景作家として活躍中。これまでに5本の連載作品で背景を担当。
noteやXでスケッチアップのTIPSを発信する傍ら、背景監修やスケッチアップの講師としても活動中。

今回は、Webtoonに最適な3Dソフト「SketchUp(スケッチアップ)」をご紹介します!
3Dソフトと聞いて最初に思いつくのは、CLIP STUDIO(クリップスタジオ)に搭載されている3D機能かもしれません。CLIP STUDIOの3D機能も優秀で、素材によっては細部まで作り込まれており、そのままWebtoonの背景に貼り付けられるものもあります。しかし、SketchUpの魅力はそれを超えています。本動画では、CLIP STUDIOとSketchUpの違いを見比べながら、SketchUpの優れた点をお伝えします。

では、想像してみてください。
あなたがひょんなことからWebtoonの背景担当になり、週刊連載でフルカラー、約70コマの背景を1週間で仕上げる必要があるとします。手描きでは厳しいため、3Dソフトを活用するしかありません。しかし、3Dソフトを検索すると、選択肢が多くて迷うことでしょう。そこで今回は、代表的な3Dソフト3種に加え、CLIP STUDIOとSketchUpをご紹介します。

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1.代表的な3Dソフト三選

①Maya

最初にご紹介するのは「Maya」というソフトです。これは映画やCGアニメーション、CM制作などに使用される高性能なソフトで、プロ仕様のツールとして知られています。ただし、価格が高く、マンガ用途にはオーバースペックと感じられるでしょう。

Maya 公式ページより)

② Unreal Engine

次に「Unreal Engine」です。このソフトは無料で利用可能で、気軽に始められます。ただし、主にゲーム開発向けのツールであり、私も試してみたところ、パソコンの性能が追いつかず動作が重く、実用性に欠けました。また、マンガ制作には向かない印象を受けました。

Unreal Engine 公式ページより)

③ Blender

三つ目は「Blender」です。こちらも無料で利用可能で、プロアマ問わず幅広いユーザーがいます。そのため、YouTubeやブログでノウハウを簡単に学べるのが魅力です。ただし、Blenderはゼロからモデリングを行う人向けのソフトで、完成済みの素材が豊富に揃っているわけではありません。また、私自身も試してみましたが、習得に時間がかかりそうで挫折してしまいました。さらに、マンガに自然に馴染むようにするためには、手間をかけた加工が必要です。

Blender 公式ページより)

2.CLIP STUDIO vs SketchUp!マンガ背景制作の四番勝負

3つの3Dソフトをご紹介しました。
それぞれ魅力的ですが、マンガの背景に使うには難しい面もあると感じられました。次に紹介するのは「CLIP STUDIO(クリップスタジオ)」の3D機能です。私も2年ほど前までは頻繁に使用しており、現在もお世話になっています。この機能が特に優れているのは、イラストソフト内蔵だからこそマンガ制作に特化している点です。

( CLIP STUDIO ASSETS より)

また、CLIP STUDIOでは多くのクリエイターが素材を作成・販売しているため、完成済みの素材を簡単に入手できるのも大きなメリットです。例えば、CLIP STUDIOのアセットストアを人気順で見てみると、多種多様な素材が販売されています。

ただし、CLIP STUDIOの素材は白黒マンガ向けのものが多く、フルカラー素材は数が少なく、あっても比較的シンプルな色付けのものが主流です。

具体例として、公式素材の「城(王の間)」を挙げると、シンプルな作りでロマンチックさには欠ける印象を受けます。

( CLIP STUDIO ASSETS 『城(王の間)』より)

さて、最後に「SketchUp(スケッチアップ)」をご紹介します。現在のWebtoon、特に韓国産の作品では、背景の多くがスケッチアップで作られています。日本のスタジオでも使用が増えてきている印象です。実際に使用してみると、Webtoonに最適なフルカラー素材が多く、細部まで丁寧に作られています。

(ACON 『中世の執務室の内部』より)

さらに、SketchUpは3D独特の「CG感」を簡単に加工できます。たとえば、線画とテクスチャを簡単に分離して出力できるため、3Dらしさを抑えてマンガに馴染ませる作業が容易です。また、ブレンダーに比べて習得コストが低く、2〜3時間ほど学べばカメラ操作や線画出力など基本的な操作をマスターできる点も魅力的です。

次は、この「CLIP STUDIO」と「SketchUp」の違いをさらに詳しく見ていきましょう。


では実際に、CLIP STUDIOとSketchUpの違いを四番勝負で比較してみましょう。今回の勝負のテーマは以下の4つです。

  1. 素材の豊富さ

  2. 色の自由度

  3. オブジェクトのカスタマイズ性

  4. 影や線画の美しさ

①素材の豊富さ

まずは素材の豊富さについてです。自分で一から素材を作るのは現実的ではありませんので、既存の素材を購入して使うケースがほとんどです。では、それぞれのストアを見てみましょう。

CLIP STUDIOの素材はモノクロが中心

CLIP STUDIOのストアで「執務室」をキーワードに検索してみます。ロマンスファンタジーでよくあるお仕事部屋ですね。検索結果をざっと見てみると、多くの素材が白黒マンガ向けであることがわかります。一見良さそうなものでも、カラー素材はシンプルな色付けが多く、フルカラーWebtoonの背景にそのまま使用するには物足りない印象です。特にロマンスファンタジー系の素材は、現代ものに比べてバリエーションが少なく、同じ素材を複数の作家が使っているケースがよく見受けられます

(CLIP STUDIO ASSETS 『アンティークな執務室』より)

SketchUpの素材は超リッチ!

次に、SketchUpの素材を扱う「ACON」というサイトで検索してみます。同じく「執務室」で検索したところ、ほぼすべてがフルカラーで、ロマンスファンタジーにぴったりな豪華で手の込んだ素材が揃っています。細部まで丁寧に作り込まれた素材が多く、そのままWebtoonの背景に使えるものばかりです。見ているだけでワクワクするほどのバリエーションとリッチさが特徴的です。

(ACON 『ファンタジー執務室』より)

この勝負では、SketchUpの圧勝と言えるでしょう。

②色の自由度

CLIP STUDIOの色設定は素材次第

CLIP STUDIOでは、一部の素材にプリセットとして色が設定されている場合があります。その場合、ワンタッチで色を変更できますが、このような素材は稀です。多くの素材は1色または2色程度のシンプルな設定になっており、作品のテーマカラーやキャラクターのイメージカラーに合わない場合は、色調補正などで手動で調整する必要があります。この作業は、時間と手間がかかることが多いです。

SketchUpのカラーリングは自由自在

SketchUpでは、色の変更が自由自在です。たとえば、椅子の色を紺色から別の色に変えたり、壁の模様の色を変更したりと、素材の細部に至るまで自分好みにカスタマイズできます。このため、購入した素材がテーマと合わなくても、簡単に調整して理想のイメージに仕上げることが可能です。また、色を変えることで素材に新鮮味が生まれ、同じ素材でも使い回し感を減らせるのも嬉しいポイントです。

この勝負でも、SketchUpが圧倒的に有利です。


③オブジェクトのカスタマイズ性

CLIP STUDIOもカスタマイズ可能

CLIP STUDIOでは、素材によってオブジェクトの分割やグルーピングが異なります。親切に分かれている素材では、ソファーや明かりなどを個別に選択して移動や表示・非表示を切り替えられます。しかし、素材によってはオブジェクトが細かく分かれておらず、例えば机と椅子がセットで固定されていたり、テーブルの上の小物がまとめられている場合があります。この場合、個別に非表示にすることはできず、使い勝手が制限されることがあります。また、ユーザー側で再設定や新たなグルーピングを行うことはできません。

SketchUpは痒い所に手が届く

SketchUpでは、作者が設定したグルーピングが存在する場合、それをそのまま利用できます。さらに、ユーザー側で独自にオブジェクトをグルーピングし直したり、細かいオブジェクトを単独で操作したりできます。たとえば、撮影の邪魔になるポットを移動したり、机の上のアイテム全体を一括して非表示にしたりと、自由度が非常に高いです。この柔軟性はクリップスタジオでは実現できないもので、作業効率を大幅に向上させます。

この勝負でも、SketchUpが大きな優位性を持っています。

④影や線画の美しさ

必要十分なCLIP STUDIOの線画抽出

CLIP STUDIOでは影や線画の抽出は可能で、床への落ち影など基本的な影が描画されます。

だだ、少し物足りない点もあります。

  • 線画抽出:LT変換機能を使って線画を抽出できますが 線が密集している箇所(例:複雑なオブジェクトや重なり合った部分)では、きれいに抽出できません。 また、切り取り線のような点線が出ることがよくあり、こちらは手動で調整するしかありません。

  • 落ち影:落ち影は床には表示されますが、オブジェクト同士の影(例:机の上の物体の影)が描画されません(最近のアップデートで改善はされました)。また、線画抽出をした場合、影の輪郭線が出てしまいます。

  • 影と色:影はテクスチャや色と一体化した形でトーンとして扱われるため、影だけを独立させたり調整するのが難しいです。この結果、全体が暗くくすんだ感じになってしまい、その後補正する必要があります。

美しいSketchUpの線画

SketchUpでは影や線画の抽出が高い精度で行えます。

以下の点でCLIP STUDIOを大きく上回ります:

  • 影の自由度:影情報のみを独立して抽出でき、他の要素と混ざらないため、影の濃さや色を自由に調整できます。また、テクスチャの濃淡が影に影響しないため、明るさを維持したまま影を乗せられます。

  • 線画の美しさ:線の密度が高い部分や複雑なオブジェクト(例:シャンデリア、額縁の装飾)でも正確で綺麗な線画が抽出されます。不要な線が混ざることも少なく、調整の手間が大幅に軽減されます。

  • 細部の再現性:複雑なオブジェクトや装飾が含まれる場合でも、線が整理され、マンガに適した線画を簡単に得ることができます。

SketchUpでは、線画・影・テクスチャを個別に抽出して別々に加工できるため、完成後の調整が容易で、3D特有の「CGっぽさ」を抑えることができます。このため、SketchUpの線画・影はマンガの背景に非常に馴染みやすいです。

影や線画の美しさに関しても、SketchUpが明らかに優れています。

3.まとめ

今回の動画では、CLIP STUDIOと比較しながら、SketchUpの素晴らしさを詳しくご紹介しました。他にもさまざまな3Dソフトがありますが、Webtoon制作に最適なのはSketchUpだと感じます。その理由として、以下のポイントが際立っています。

  1. 素材の豊富さ

    豪華でリッチなフルカラー素材が豊富に揃っており、そのままWebtoonの背景として使えるものが多い点が魅力です。

  2. 色やオブジェクトの自由度

    CLIP STUDIOと比較して、色やオブジェクトのカスタマイズが非常に自由でした。たとえば、テーブルの色をワンタッチで変更できたり、細かいオブジェクトを自分でグルーピングして扱えるなど、柔軟性が高いです。

  3. 線画と影の美しさ

    SketchUpでは線画が非常に美しく抽出され、影も光と影の情報のみを的確に出力できます。そのため、背景をマンガに馴染ませる作業がとても簡単です。

  4. 習得のしやすさ

    これほど多機能でありながら、操作の習得が簡単で、初心者でも短時間で基本操作をマスターできる点も大きな強みです。

いかがでしたか?Webtoon背景制作において「SketchUp」の魅力がしっかり伝わったでしょうか。手描き背景や他の3Dソフトでは実現しづらいリッチな素材や高いカスタマイズ性、そして習得のしやすさが、Webtoon制作を効率化し、クオリティを高めてくれるはずです!

今回の記事と動画で丁寧に解説をしてくれた丹羽四つ葉先生が講師を務める『タテ漫画背景スクール』では受講生を募集中です。「SketchUpをもっと学びたい」「Webtoonの背景制作をマスターしたい」という方は、ぜひ『タテ漫画背景スクール』へ!

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