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    業界分析

次の手塚治虫は「縦」から現れる!全マンガ家が今すぐWebtoon(縦読みマンガ)を始めるべき理由

「普通の横読みマンガがあるのに、わざわざ縦読みのWebtoonを描く必要なんてあるのかな?」

このページをご覧のあなたは、そんな疑問を抱いているかもしれません。

縦読みのデジタルマンガ「Webtoon」は、アニメ化された『俺だけレベルアップな件』や実写ドラマ化された『わかっていても』など、近年その人気が急速に広まっており、参入するエンタメ企業も増加しています。

これからのマンガとして注目されるWebtoonは、クリエイターが挑戦する価値のあるコンテンツと言えるでしょう。

この記事では、横読みのマンガとは異なるWebtoonの魅力を徹底的に掘り下げてお伝えします。

ただの「縦読みマンガ」じゃない!Webtoonの特徴とは

Webtoonとは、スマートフォンの縦画面で上から下へスクロールしながら読む形式のデジタルマンガです。発祥は韓国のエンターテインメント業界で、スマートフォンの普及とともに広まりました。

従来の横読みマンガをそのまま縦に変えただけのマンガとは異なり、全く新しいジャンルです。特に分かりやすい特徴として以下の2つが挙げられます。

スマートフォンでの閲覧に特化したページ構成

『ターフ・ヒーローズ~クラリティドット~』© 内海郁 / SORAJIMA

スマートフォンの普及に合わせて進化したWebtoonは、スマートフォンでの読みやすさを追求しています。縦長の画面に最適な縦スクロール形式のほか、既存のコマ割にとらわれない迫力ある「縦の見開き」も特徴の一つです。

フルカラーが基本

一般的なマンガは紙媒体で印刷されるため、白黒が主流です。しかし、Web上で公開されるWebtoonにはその制約がないため、フルカラーで制作されます。鮮やかな画面は視覚的に魅力的で、色分けによる人物や物の識別のしやすさも大きな利点です。

クリエイターがWebtoonで描く3つのメリット

日本国内では『週刊少年ジャンプ』に代表される横読みマンガ、いわゆるマンガが圧倒的なシェアを占めており、注目度も断然高い状況です。

そのため、これからマンガを描こうとする人は「わざわざWebtoonを選ぶ必要はあるの?」と考えるかもしれません。結論から言えば、Webtoonにチャレンジする意味は十分にあります。

ここからは、クリエイターがWebtoonを選んでマンガを描くことのやりがいや展望といったメリットを詳しく紹介します。

セオリーが多い横読みと比べて遊びシロがある

横読みマンガは長い歴史を持つコンテンツであり、その中で面白い作品を描くためのセオリーが確立されています。読みやすいコマ割や、吹き出しを起点としたストレスフリーな視線誘導などがその典型例です。

一方、Webtoonは2000年代から2010年代にかけて発展してきた新しいコンテンツであり、作品づくりに関して確立されたセオリーがまだ少ない段階にあります。逆にいえば、従来の常識に縛られない自由な表現に挑戦できる場でもあるということです。

『煉獄エレベーター』© シバハルマ / SORAJIMA

  • 縦スクロールを活かしたストーリー構成(例:エレベーターが舞台のホラーマンガ)

  • コマからキャラクターを意図的にはみ出させて迫力を演出

  • 鮮やかな色使いでキャラクターの心情を表現

これらは現在活用されているテクニックのほんの一部にすぎません。参考にすべき既存作品が少ないからこそ、自分のアイデアを試行錯誤できる「遊びシロ」があるのです。

先人が築いたセオリーをさらに磨き上げていく楽しさが横読みマンガの魅力だとすれば、自分が先人になれる挑戦の場がWebtoonの醍醐味だと言えるでしょう。

分業も個人制作も選べる幅広い執筆体制

ネット上では「Webtoonは分業制で自分の得意分野に集中できる」という意見をよく見かけます。

確かにWebtoonでは、各作業工程を別々のクリエイターが担当する分業制が広く採用されています。例えば、ストーリーは「原案」「脚本」「ネーム」に分けて制作でき、作画も「キャラデザイン」「線画」「カラー作業」と分業可能です。このため、複数のクリエイターが協力してひとつの作品を作り上げられます。

一方、従来の横読みマンガでは、分業できる範囲が「原作(ネーム)」と「作画」の2つに限定されることが多く、この点でWebtoonとは大きな違いがあります。

『プトロ』© 黒島亜夢 / SORAJIMA

しかし、Webtoonにおいても、ひとりですべての工程を担当するクリエイターは少なくありません。作業量は膨大ですが、自分の世界を完全に表現できるのは個人制作ならではの楽しさです。実際、多くの読切作品は個人で制作されており、その自由度が大きな特徴でもあります。

チームで分業を活かすか、ひとりで創作を極めるか。Webtoonではこの両方が選べるのです。

媒体や読み方が海外進出に向いている

『無能な継母ですが、家族の溺愛が止まりません!』(© つるこ。 / SORAJIMA)

Webtoonの魅力の一つとして、海外展開のしやすさが挙げられます。

日本のマンガは海外でも高い人気を誇り、多くの商業作品が現地で翻訳されて出版されています。しかし、横読みマンガのセリフが日本語の縦書きから横書きに変換されると、右から左にページをめくりながら左から右に読むという違和感が生じることがあります。この結果、作品全体のテンポが損なわれてしまうこともあります。

Webtoonはスマートフォンで上から下にスクロールして読む形式であるため、翻訳の影響を受けにくく、どの言語でもほぼ同じ感覚で楽しめるのが大きなメリットです。

本場韓国から日本に輸入された人気作『俺だけレベルアップな件』『継母だけど娘が可愛すぎる』などが広く受け入れられ、マンガ配信アプリで多くの読者を獲得しているのが証拠といえるでしょう。

マンガが国境を越える時代において、Webtoonは読者の言語に関係なく、作者の意図をそのまま伝えやすい表現方法だと言えるのです。

「縦の手塚治虫」になれる!? 日本Webtoonの現状と展望

ここまでWebtoonの魅力をお伝えしてきましたが、こんな疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

「そんなにWebtoonが素晴らしいなら、どうしてあまり見かけないの?」

Webtoonは年々普及が進んでいるコンテンツですが、日本国内でまだメジャーと言えないのが現実です。ここでは、日本におけるWebtoonの現状について掘り下げてみましょう。

日本Webtoonの現状:絶対的スターの不在

アニメや実写ドラマの原作になるなど、Webtoonのクオリティは横読みマンガに引けを取りません。それでも国内での知名度は未だ高いとは言えず、「縦読みは読みづらい」と敬遠されることもあります。

この理由として挙げられるのが、業界を代表する作家(絶対的スター)の不在です。

例えば、日本のマンガ界を基盤から築いた「マンガの神様」手塚治虫や、『ドラゴンボール』の作者である鳥山明は、マンガを読まない人でさえ知っている存在です。これらのスター作家は、多くの読者を引きつけるだけでなく、クリエイターを目指す人々の憧れとなり、マンガ界への参入を促しました。

しかし、日本のWebtoon業界には、こうしたカリスマ的なクリエイターが存在していません。このためクリエイターの参入が少なく、普及が進みにくい状況が続いています。

Webtoonは「これから」のマンガ

日本のWebtoon業界にはスターがいない現状がありますが、これは裏を返せば、最初のスター作家になれる可能性が誰にでもあるということです。

Webtoonは、スマートフォンの普及とともに発展してきた新しいコンテンツであり、歴史の浅い分野です。未開拓のフィールドであり、これからWebtoonを描き始めるクリエイターは、まさにその歴史を創る「開拓者」になれます。

これは成熟した横読みマンガでは絶対にできない、Webtoonで描く明確なメリットといえるのではないでしょうか。

Webtoonが多くの読者に広まり、確固たる地位を築いた将来「縦の手塚治虫」と称されるクリエイターが誕生するはずです。それが、あなたになる可能性もあるのです。

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